やな國こと柳田國男です。こちらはおりしーこと折口信夫君です。
にべもなくはるかに振られ、押入に篭り一睡もできず朝を迎えた橘純一。
梅原や薫に心配され、詞の助言に従い保健室へ向かう。
面白い振られ方ついでに面白い顔の橘くんです。
どうやって襖を開けたのか非常に不思議な絵面になっているので、見れる人は確かめてみてください。
高校生が一日寝なかったくらいでどうってことないので、これだけ顔色悪いという事はそれくらい心労が激しかったという事です。
振られたのもそうですが、告白してしまった事自体割とショックかも知れません。半ばノリで言わされたようなもんですから。
ここでもちょろっと決定的な役割をする詞ちゃんです。しかし、橘くんはみんなに心配されててええね。大人んなると女の子どうよりこういう友達の方が真っ先にいないですからね。
橘が保健室に入ると、ベッドではるかが寝ているのだった。
同時に目のクマが治りました。
オープニング
パンニングで教室内のヒロインを一人ずつ映していきます。森島から棚町、中多、七咲、桜井、絢辻の順で、それぞれのヒロインのパートの順番を表しています。
森島から棚町だけ角度が妙に開いてるんですよね。カメラの動きが明かに早い。ここだけ間が135度なんです。棚町からは一人45度ずつなんですよ。
黒板が北だと仮定して、西と西南が空いてるんですね。どっちがどっちなんでしょうね?
黒板が北やなかったらどうするんですか?
昨日の事を思い出し身構えてしまう橘。しかし、はるかは何事もなかったかのように橘に接する。
その普通さにうろたえる橘だが、はるかは人間関係は彼氏彼女だけではないと諭す。
森島は深夜番組で夜更かししたので保健室で寝ていました。この学校大丈夫ですかね。
何の深夜番組ですかね。時代設定としては、よく1999年辺りの話ではないかと言われているんですが。
1999年11月のカレンダーはこちらです。
日 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | |
7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | 13 |
14 | 15 | 16 | 17 | 18 | 19 | 20 |
21 | 22 | 23 | 24 | 25 | 26 | 27 |
28 | 29 | 30 |
1話の導入部で、高橋先生が「11月も残り半分ですが」と発言しています。この発言が一番合いそうなのが11月15日、月曜日の朝礼時間ですね。
再会したのはDay 2のランチか休み時間。放課後に告白して振られるのもこの日です。で、片や押入の中で一睡もできず、片や深夜番組で夜更かしして、次の日寝不足になる。この日をDay 3としましょう。
Day 2、1話Bパート冒頭で「もう何日も会っていない」て橘くんが言うんですね。月曜に会って、火曜や水曜でこの言い方はしないだろう。でも、日曜を跨いじゃうと「もう一週間も」という言い方になるだろう。
つまり休日の前日である金曜日が消える。消去法で、はるかちゃんが深夜番組を見て夜更かしした日は1999年11月18日木曜日という事になります。
学研パブリッシング、「TV Life 首都圏版」1999年11月6日発売号の番組表です。国会図書館でコピーしました。引用という事でかんべんしてください。
とりあえず、テレ東は除外してよさそうやね。エクセルサーガのアニメとか、なんかもう、今思い出しましたわ。
わしらは関西の出ですので、ワンダフルもトゥナイトもよう知らんのですよね。女子高生が見てもおもろい番組やったんかなあ?
エクセルサーガかな。
JSショーって、アメリカ版の愛する二人別れる二人みたいなショーらしいですね。「恋人は男だった!?」ってのがもうお腹いっぱいですね。こういうのは見るかもしれない。
そもそも映画見て夜更かししたんやったら「面白い映画をやってて…」っていう言い方になるはずですよね。たぶん映画は見てないと思う。
どうもね、今ひとつ弱い気がしますね。さっきね、土曜日は休みやから、Day 2は金曜日ではないとしてたんだけども、土曜日が登校日っていう可能性はないのかな?
11月19日の番組表を見てみましょう。
0時30分にタモリ倶楽部です。
森島はお笑いとかは好きそうな雰囲気はあります。で、金曜はお笑いだけで繋げていけるんですね。
関西だと夕方の番組という印象が強いんですが、東京だと深夜にやっとったんですね。
金曜夜は強いですね。タモリ倶楽部→さんまのまんま→まねキン or ジョビれば→パペポTVですか。
タモリ倶楽部始まる0時30分までは、何してたんですかね。
そういう事にしておきましょう。
本題に戻りましょう。
昨日の事を思い出し身構えてしまう橘。しかし、はるかは何事もなかったかのように橘に接する。
その普通さにうろたえる橘だが、はるかは人間関係は彼氏彼女だけではないと諭す。
森島は深夜番組で夜更かししたので保健室で寝ていました。この学校大丈夫ですかね。
とりあえず寝ようかというタイミングで諸問題の根源に出くわしてしまった橘、昨日の告白の出来事が一瞬でフラッシュバックします。
キョドってしまう橘ですが、森島の対応はいたって普通です。橘の体調を心配するそぶりすら見せます。
これですね。生脚にソックスを履くサービスカットです。
基本的に脚には強い執着を持っているアニメですが、森島の場合は特に脚が強調されます。最初にランチに会った時も足から出てきて、橘も屈んだ所で脚から見上げていくんですね。
さて橘、ソックスを履くところから思わず目をそらして、振った人にそんな普通にしゃべっててええんか的な事を言います。
いやハッキリ振られてますけどね。で、この遠慮に対する森島の最初の反応が「なんで?」です。「人付き合いって彼氏彼女だけじゃない」、「実は君の事結構気に入ってるんだけど、迷惑?」と。
というのは森島もある程度わかっているらしい。すぐに謝ってしまいます。「私はよくても、君は嫌だったよね」。「ごめんね、無神経に話しかけて」。天衣無縫と思われた森島はるかの、初めてその陰が覗きます。
「嫌だよね」ではなく、「嫌だったよね」と言うところに、自分で断じるのではなく、何か別の参照先を見ている雰囲気があります。心なしかちょっと言い急ぎ気味でもありますね。
塚原響は親友という事になっていますが、役割は完全に保護者ですね。塚原が何故二人の恋を肯定し、手助けして行くのかを考えるのも、一つの補助線です。
今まで通りの関係が続いていく事を確認した二人。
「年上で頼り甲斐がある人」以外のタイプを聞く橘だが、ハードルは上がっていくばかりだ。
橘は軽くOK。
彼氏いらん言うてるのに彼氏になる気満々なんですね。だからすぐに好きなタイプとか聞く。
ところが、ここで森島は「そんな事言ったっけ?」と聞き返します。話の根底を無いことにしてしまう。
で、改めて森島はるかの求める男性像は次の通りです。
「やっぱりタフな男の人には憧れるかも」「タフ!」
「あとは、カリスマ性を感じるような人もいいかも」「カリスマ!」
「リーダーシップがある人とか!」「リーダーシップ!」
「あ、でもどれも違うような気がしてきちゃった。」「そんなあ!」
もてあそばれています。
「年上で頼り甲斐がある男」の時はノーモーションからの断言だったんですが、こちらでは「かも」「とか」だらけで、ずいぶん言葉尻を濁しています。
本心なのかもしれないし、煙幕なのかもしれない。単に何も考えてなくて、出任せなのかもしれません。
ともかくも二人の仲が元通りになったと認識し、俄然やる気が出てきた橘。
一方、はるかは写真集の子犬から橘の事を連想しつつ、前日の告白の出来事を甘く思い返すのだった。
完全に回復して、放課後です。場所はおそらく例の公園かな。キリっとしています。
「今まで通りでいいんだ!」って言ってるけど、これは違うんですよね。今まで通りかもしれないが上限値は引かれてるわけですよ。
元々あらゆる事象がプラスに作用するアニメですから、驚くには値しません。
場面変わって森島邸、風呂上がりか洗顔した後かくらいの森島です。きわどい部屋着ですね。
ブラはしてません。
テーブルの上に置いてあるのは、読みかけの犬の本。おそらく図書室で借りてきたやつでしょうか。しばらく子犬に見惚れます。で、ふと、「このワンちゃん、あの子に似てるかも……。」
ついでに先日の告白の事を思い出す。当たり前なんですが、ちゃんと憶えているわけですね。
タフさとカリスマ性とリーダーシップを全て兼ね備える者。それはプロレスラーだ。
としか説明せず、梅原相手にプロレスごっこに興じる橘。
ひどい男ですね。
顔面めがけてライダーキック出しといて梅原が避けたら文句言うんですよね。相手に人格がある事を理解してない。
前方から「私も混ぜて、混ぜて!」の声。声の主はもちろん森島はるかだ。
「前の授業が体育だったの。さあ、かかってきなさい!カモン、カモン!」
服装。寒いのか寒くないのか?
梅原はここで初めて森島に声かけてもらえたのに、橘が普通に関節決めてくるから痛いやら屈辱やらで大変ですね。
さて、女の子にかかってこいと言われてもかかっていけるわけないんで、つっ立ってると「ならこっちから技かけちゃうよ!卍固めとか!」と、謎のモーションで挑発してきます。
絶対にマネしないように、なんですが、この男子二人、進んで技にかけてもらおうとします。
と、そこで現われた塚原、さくっと二人からはるかを引き離します。こういう風に普段はるかを危ないところから連れ戻してるわけですね。
つまらなそうな森島ですが、橘が次を約束してその場は納めます。で、森島は四人で一緒に帰ろうと言いだす。塚原は「私は別に構わないわ」とこれを受けます。
下校する四人。はるかと帰れる事が単純に嬉しい梅原に対し、彼女の人気ぶりに複雑な気持ちを抱く橘。
四人の会話はしだいにはるかの恋愛沙汰についてのものになっていく。
森島が学校でどのような位置にある人か、改めて語られていきます。まずは交友関係。
短期間であっちこっち入退部する、それも「何か違うなー」くらいの理由でやっちゃう人に、いい感情を持つわけがないと思うんですが、それを帳消しにするほどの魅力なのか。
「はるかのモテモテぶりはそれだけじゃないのよ?」
「この前なんて、2年と3年の一番モテるって男の子に同時に告白されたんだから」
橘くんが「告白?!」って前のめりになるのが正直でええね。
性格が男前なのはもちろんあるのですが、やっぱり保護者の目線なんですよ。娘がモテるからって嫉妬する母親っておらんでしょ?そういう事やと思いますね。
いるね。いるなあ。母と娘っちゅうのは、難しいね。
反発するはるかちゃん。「最近はそんな事もなくて、ヒマでしょうがないくらいよ」と言います。ここでは、橘くんの事は伏せているんですね。
最後まで何も言わないですね。そんな奴なんですよ。
「そんなにモテるんだったら、今まで振られてもまた告白してきた人とか、いないんですか?」
いい仕事だ!
で、そんな人はいなかったらしい。普通ですね。すると梅原、「もししてきたらどうします?」と追い込みをかけます。
はるか「そんな人いなかったからわからないけど~」
「たぶんもう一度断わるんじゃないかな!」
ええ気味やわあ。
遅いですよね。告白した時に打ち砕かれて、保健室で打ち砕かれて、三回目でようやく気付きました。
失われた(恋愛)感情を取り戻す、という橘くんの目論見は、ここで一旦完全にご破算になります。
アイキャッチ
アーママママママ♪
再び死人の顔で登校する橘と、それを心配する美也。その二人の前にはるかが現われる。
露骨にはるかを拒否する美也。橘に咎められても、逆に水をふっかけてしまう。
前よりひどいね。
美也は心配で心配で仕方がありません。あげく原因が自分にあるのではないかと思い始めてます。
兄は全編通して一回も肉まん食わないんですよね。揉むことはあっても。
なんてネガティブな表情なんだろう!
この辺だけ見ると、感情に振れ幅があるというか、いつもニヤニヤしてる割に好悪が激しい感じがしますね。そういうのは素敵ですね。
響ちゃんは今までどれだけこういう場面を救ってきたんやろねえ。
お前たいがいにせえよと妹を叱る橘。しかし妹からすればたいがいにしてほしいのは兄の方です。
こっちの話には返事もせんで、あの女の前ではニヤニヤしよって!と、蛇口から水を出して兄に浴びせます。
「ニヤニヤか……してたかもしれないな」と、このあとすぐの授業のシーンの中で、回想するんですよね。
授業中、美也に言われた事を反芻する橘。そのぼんやり顔に薫が紙くずを投げつけからかう。
投げ返し反撃する橘。二人はだんだんエスカレートし
ビデオを止めてください!
紙くずを誤爆されて、怒っている田中恵子ちゃん!高校ん時、よく女子にこんな顔されたよね!ええな、ええなあ!ええ事やったわ!
担任に怒られ掃除当番を任された橘。そこにはるかが現われ、女子用の水着を持っていないか尋ねられる。
はるかは女子水泳部の練習を覗き見ているうちに、自分でも泳ぎたくなったというのだ。
腕ほっそいなあ!
おかげで再び、はるかちゃんと二人きりで会えました。Aパートは詞ちゃんが助けてくれて、Bパートは薫ちゃん。
橘くんはまだ持ってないんですね。わしに言うたら貸してあげたのにね。
美也の水着を着る!と言うはるかちゃんへ、橘くんが向ける目線が下になります。
(SE)「ボゥム!」
(SE)「Qッ!」
(SE)「ボゥム!」
2010年にもなってボンキュッボン、しかもSE。
何かと差し障りを感じた橘、「美也の水着なんて着たら、大変なことになっちゃいます」と再度断わります。
それでも止められない森島、「学校指定の水着は、部活では使わないと思うの!」とひらめき、橘を無理矢理連れてプールへと向かいます。
水泳部の部員から無事水着を借りられたはるか。しかし響に見つかってしまい、プールを置い出される。
むくれるはるかを橘がなだめ、二人は再び図書室へと向かう。
その辺にいた水泳部員を捕まえて水着を要求するはるか。水泳部員はとまどいながらも二つ返事で承諾してくれます。
部員たちの警戒心丸出しのヒソヒソ声が否が応にも聞こえてくるんですが、当人は彼女らの腰周りを眺めてたりまんざらでもなさそう。そこで……。
「どうしてここに男子がいるんですか?」
美也ちゃん!!
えっ、別人?!
美也ちゃんがまだ怒ってて、兄を完全に他人扱いしてるんだと思って、すごくワクワクしたのに……。
自分でも何しに連れてこられたのか分かんないですからね。わしらにもわからんし。しかし、こんな怪しいやつに自分から進み出て、逢ちゃんは肝の座った子ですね。
「おまたせ~、どお?……似合う?」
あと一歩で逮捕まで漕ぎ着けた橘ですが、間一髪のはるかの復帰で救われます。
読モくらい当然やってましたよくらいの風格ですね。学校の水着でこんなポーズとれるからすごいですね。
「森島先輩!」と驚く七咲。二人は以前より知り合いなんですね。「この人、先輩のお知り合いですか?」という事で、はるかが二人を取り持ってくれます。
さて、二人の紹介も終わって、本格的に泳ごうとする森島ですが。
「ミョーに騒がしいと思って来てみたら、部外者が二人も!」
モノ言える大人の登場です。
なんやかんやとおねだりするはるかちゃんですが、響ちゃんの睨みのひと効かせで完全に負けてしまいます。
はるかちゃんと長いからおおよそ察しがつくんでしょうね。しかし、ここまで本当に、はるかちゃんは響ちゃんでしか止められないんですね。
見せるためじゃない?
「響ちゃんのけちんぼ~」「仕方ないですよ、塚原先輩にも、部長っていう立場がありますから」
「何よ!響の味方するつもり?」
興味深いカットです。
「響ちゃん(のけちんぼ)」だったのに、橘が味方するや「響」なんですね。
ちょっとしたやりとりですが、明らかにはるかちゃんの中で何かが変わってきています。
このちょっとした非常事態ですが、橘は割と普通に切り抜けてしまいます。
あんな借りたんだけどまだ残ってるかな、ってなる。そこで橘が「僕が探し出してみせます!」と約束すると、すっかりそのテンションになります。
橘が自分で何かしてあげるって言うのも初めてですね。プールを出てから、この一分足らずの尺で色んな事が起きています。
なんとか三冊くらい見つけて帰ってきた橘。すると森島は眠りこけていました。
例えばコンピューターの本とか、情報の棚と工学の棚に分けて置いてあったりしますよね。同じ要領で写真の棚と生物の棚とで分けてあったとか、あとは、前借りられてた本が戻ってきたとかですか。
森島の肩に自分の上着をかぶせ、橘は彼女が起きるまで待ちます。
森島が起きました。
「あ……」
「おはようございます、先輩」
「あ……、ごめんね、寝ちゃった」
「少しだけです」
「あっ、かけてくれたんだ。ありがとう、優しいね」
「いえ、そんな……」
「……」
「ゲフン!ああ、すみません、それだけしか、見つけられませんでした」
「ううん、ありがとう。……ああ!これまだ見てない。これも、これも!やるわね!」
「それほどでも……」
「わー、これかわいい!この写真もキュート!フフフ……」
「……先輩」
「うん?」
「好きです」
ワァオ!
「えっ…?」
「僕、森島先輩が好きです」
「んもう……、またなの?」
「すみません。迷惑なら、もう二度とこんな事言いません」
「迷惑じゃないけど…、なんで?」
「先輩と一緒にいると楽しくて、もっと色々な話をしたいというか、それで……」
「急にそんな事言って……」
「すみません」
「謝らないで」
「すみま、あ……」
「なんで?だって、こないだ……」
「あきらめたくなくて。先輩が迷惑じゃなくて、またチャンスがもらえるなら、あきらめたくない。何度振られても構わない!僕が一番怖いのは、返事さえもらえない事なので」
「そ、そんな事しないわ」
「ありがとうございます」
「な、何お礼言ってるの。……変なの」
「あの、僕、先輩のこと好きでいていいですか? うっとうしかったら諦めます」
「う、うっとうしくなんか、ない……」
「じゃ……いいんですか?」
「……うん」
「やったあ!ありがとうございます!」
「もう、もうー」
「えっ?」
「もう、なんでそんなに一所懸命かな。そんなに頑張られたら、ほっとけないじゃない」
「先輩?」
「……これでもくらえ!」
ご覧頂きましたでしょうか。
詳細を見ていきましょうか。
まさかの2話での2回目の告白です。こんなタイミングで2回目に踏み切れるのか。1回目と2回目でこれほど雰囲気が違うのか。
前回の告白では、目が合わせられなくて、俯いて地面を見ていましたからね。
森島は寝ていましたからね。橘にはたっぷり考える時間があった。何を考えていたんでしょうか。
死にそうになって、でも何となくまだ見込みがありそうだってなって、元気になるんですが、やっぱり見込みはないってのがわかった。
恋愛もキラキラも諦めた。森島先輩の彼氏にもなれない事がわかった。じゃあもう全部元通りなのか?というところで、美也が介入してくるんですね。
恋愛を捨てた事で、逆説的に恋愛を取り戻す。その時、恋愛の意味合いが変わってるわけですね。
まず恋愛がしたい。そしてその相手は森島先輩がいい、と考えてるわけですね。
プールに行くエピソードが挟まりますね。
断わる以前に無理ですけどね。
まあ、とりあえず断わったのはその通りですね。
森島の困ったちゃんなところを見ている。そして、怒られて、むくれている所を、こうこうしようといってエスコートしてくれる。
約束した事もちゃんと果たしました。犬の本だって少ないながら見つけてきたわけです。
その気持ちを秘めておく事だってできるんですが、言う事にしたわけですね。
森島はどうでしょう。
どうしてここまで雰囲気が違うのか。どうしてここまで動揺しているのか。それなのに自分からキスまでしてしまうのか。
あの話に戻りましょうか。あの適当さは結局煙幕なのか、本心なのか。
「私のこと好きなの?」とか「ざーんねん」とか言うてた人がですか。
という事は、橘の事は実は好きではない。
それは意識的にですか、それとも無意識でですか?恋愛を忌避しているという割には、ずいぶん橘が誤解しそうな行動を取りますよね。あれはわざとではない?
恋愛はしたい | 恋愛は無関心 | 恋愛はしたくない | |
---|---|---|---|
計算(脈あり) | AAA | BAA | CAA |
計算(脈なし) | AAB | BAB | CAB |
天然(脈あり) | ABA | BBA | CBA |
天然(脈なし) | ABB | BBB | CBB |
恋愛がしたいのかしたくないのか単に興味ないのか、誤解させる行動をするのはわざとなのかそうでないのか、そもそも橘くんの事は好きなのかそうでもないのか、三つの軸から考えていきましょう。
AAA | 恋愛はしたいし、橘くんいいなと思ってるし、だから気持ちも振り向かせておきたい。 |
---|---|
AAB | 橘くんは別にタイプじゃないけど、恋愛はしたいし、気持ちはこっちに向かせておきたい。 |
ABA | 恋愛はしたいし、橘くんいいなと思ってる。 |
ABB | 恋愛はしたいけど、橘くんは別にタイプじゃない。 |
BAA | 恋愛は興味ないけど、橘くんいいなと思ってるし、だから気持ちも振り向かせておきたい。 |
BAB | 恋愛は興味ないし、橘くんは別にタイプじゃないけど、気持ちはこっちに向かせておきたい。 |
BBA | 恋愛は興味ないけど、橘くんいいなと思ってる。 |
BBB | 恋愛は興味ないし、橘くんは別にタイプじゃない。 |
CAA | 恋愛はしたくないけど、橘くんいいなと思ってるし、だから気持ちも振り向かせておきたい。 |
CAB | 恋愛はしたくないし、橘くんは別にタイプじゃないけど、気持ちはこっちに向かせておきたい。 |
CBA | 恋愛はしたくないけど、橘くんいいなと思ってる。 |
CBB | 恋愛はしたくないし、橘くんは別にタイプじゃない。 |
AAAとABAについては、じゃあ何で一回目断わったのかという話になるね。まあ試してるつもりで一回振る事があるとしても、なら二回目の告白は願ったり叶ったりだからあんなしどろもどろにならんよね。
橘くんをキープすることによっぽどのメリットがないとその労力は意味がないよね。というか、恋愛も橘もどうでもいいなら逆に一回目はっきり振る必要すらないんじゃないか。キープするためには。
BBBとCBB。これはいちばんハードル高いですよね。全部橘くんの勘違いでしたっていう。
恋愛したいわけでもない人が、タイプでもない人に二回告白されて、どんな気持ちの変化があるのか。おでこに口づけまでしてるんですよ。この線もちょっと難しい。
AAB | 橘くんは別にタイプじゃないけど、恋愛はしたいし、気持ちはこっちに向かせておきたい。 |
---|---|
ABB | 恋愛はしたいけど、橘くんは別にタイプじゃない。 |
BAA | 恋愛は興味ないけど、橘くんいいなと思ってるし、だから気持ちも振り向かせておきたい。 |
BBA | 恋愛は興味ないけど、橘くんいいなと思ってる。 |
CAA | 恋愛はしたくないけど、橘くんいいなと思ってるし、だから気持ちも振り向かせておきたい。 |
CBA | 恋愛はしたくないけど、橘くんいいなと思ってる。 |
AABとABB。別にタイプじゃないんだけど、まあ恋愛とかしてみたいから、付きあってみっか的な。
一応、二回告白してきた相手は橘だけらしいですから、そこで押されてドキドキした、っていうのはあるかもしれないけど、それは今残ってるパターン全部に適用できる話ですからね。これもなし。
根本的に矛盾を抱えているキャラクターという事ですね。面白いと思うんですが、内面的な葛藤は相当なはずなのに、森島にそういう描写があったかどうか。
とすると、同じ理由でBAAも難しそうですね。
というわけで、四つの候補が消えました。
BBA | 恋愛は興味ないけど、橘くんいいなと思ってる。 |
---|---|
CBA | 恋愛はしたくないけど、橘くんいいなと思ってる。 |
だいぶ絞れてきましたね。
先生は後者なんですね。
単に何も考えてないって事なのでは?
そもそもBBAって事は、橘くん自体は好きなわけですよね。だったら別に付き合ったっていいわけです。こんな冷たい表情にはならない。付き合いたくないからこんな事になるんです。
CBA | 橘くんは好きだが、恋愛はしたくない。 |
---|
保健室のくだりで、彼女の無邪気さが人を傷つける事を、彼女は知らされているといいました。彼女にとっての普通が、他人にとっては普通ではない。しかし、実際は逆で、他人にとって普通な事が、彼女にとっては普通ではないのです。
小学校の時は、男子と馬跳びだって平気でできてました。プロレスだってしてたかもしれない。しかし、いつのまにかそれができなくなった。
人間同士が一番モメる時って金か恋愛かなわけです。なのに彼女は恋愛に対して全く無防備。するとどうなるか。
今は響ちゃんがついています。おかげで安定している。しかしそれまではどうだったんだろう。あるいは、響ちゃんとはるかちゃんの間だって過去何があったかわからない。
森島はるかは、橘くんとは全く逆の理由で、恋愛一般に対して禁忌を持つことになるのです。
そこに橘が現われた。
これが、だいぶ気に入ってしまった。やさしくてちょっとだけかっこよくて。彼女目線でですが。馬跳びもプロレスもできそうな相手で。
それでも友達でいてくれるならめっけもの。いなくなったら残念だけど仕方ない。今まではだいたいいなくなってきたわけですね。
それで森島も油断していたら、このような事になった。森島にとって初めての事を、不意打ちで、熟考の末にやってくれたわけです。
「好きでいていいですか」なんて、本当はめちゃくちゃずるい質問ですよね。でも、それがアリになる。
はるかちゃんは元々プールで泳ぎたかった。でも、それはできない。けど、図書館で犬の本は探してあげられた。そういう事ができるようになったのと同じ。
キスをする時に脱ぎ捨てる上着というのは、彼女が自分から禁忌を脱ぎ捨てたという事になりますかね。それは同時にある種の保護からも抜ける事になるんですが。
「い、今の……。」
「必死で八の字になってる君の困り眉毛が、あんまり可愛いからキスしたの……、またね」
必死で八の字になってる君の困り眉毛が、あんまり可愛いからキスしたの。
エンディング
前回は素で紹介を忘れていましたが、曲は「キミの瞳に恋してる」です。歌手の名義は「森島はるか(伊藤静)」となっています。
回してるのがハートのエースってのが2010年じゃないですよね。
森島邸が出てくる時は必ずこのソファが出てきます。着ている部屋着も必ずこれですね。
一話から脚本が木村暢に変わっています。一つのパートの中で脚本が変わるのは森島編だけですね。
次回予告
わしの大好きな単語が来たわあ!