めがね


五年ぶりくらいにめがね買った
そこでこの嬉しさをポエムにしてみました
では僕のポエム聞いてください「めがね」谷川俊太郎風

ぼくは めがねをかいにいった
ほかならぬこのぼくの
あたらしいめがねを
きちじょうじのむじるしで
そのにかいで

ぼくのあたらしいめがねは
ふちなしで なんのへんてつもない
かこうじかんは
たったの三十ぷんである

けれど このせんさいなはりがねのきぐは
どんなことばよりも はっきりと
せかいをかたどって ぼくにみせる
みえないものからみえるものへ

それは このぼくのあたらしいめがねが
ぼくのしりょくに ぴったりあわさっているからだ

ひだりめは-2.50
みぎめは-3.25

めがねで こうふくをはかることはできない
しかしながら
ほほえむえがおをみとめることはできる

むじるしをせにしながらぼくは
ほんとうにみたかったものはなにか
おもいだそうとするのだった

ぼくのあたらしいめがねは
いちわりびきで 九千えんちょっとである

(二〇〇七年六月)