柳田國男です。
折口信夫です。 父は神道学者をやっておりました。
二人でアマガミSSの全話レビューをやっていきます。 願わくは之を語りて、平地人を戦慄せしめよ……
「アマガミ」という恋愛ゲームを元に作られています。テレビ版の放映は2010年7月1日から2010年12月23日まで。 アマガミちゅうのは、天つ神の事やね。
天が彌と解く事もできます。彌というのは巫女ですね。 八乙女という訳やね。
アニメでありながら神への捧げ物であり、鎮魂の詩でもある。 夏至に放映が始まって、冬至に終わるっちゅうのは、そういう事やね。
森島はるか編 第一章「アコガレ」
最初は森島先輩ですね。
主人公の橘純一にとって、唯一の先輩ヒロインやね。 アマガミには六人のヒロインがおり、先輩が一人、同輩が三人、後輩が二人とおります。
六観音やね。 さっき八乙女いうてたやないですか。
その六人のヒロインにそれぞれ四話ずつ当てるというスタイルのアニメになっております。 隠れヒロインと妹とでプラス一話ずつあるので、計26話ですね。
四話の間に、互いに恋し、想いを募らせ、愛が成就するまでを描くと。 アニメで四話というとだいたい80分、短めの映画くらいの尺ですから、アマガミSSつまりショートストーリーズなわけですね。
SSはセックスセックスの略やで。 別にセックスしてないですけどね。
主人公は一度もセックスしてないね。紳士やね。
二年前のクリスマスイブ、やっとの思いでデートの約束を取り付け、待ち合わせ場所の公園に一時間前からやってきた主人公、橘純一。
しかし、いくら待ち続けども、彼女は現われない。不安に沈む橘の頭上から、あたり一面へ雪が降り積む。彼女は結局現れなかった。
中3でイブにデートの約束とかしよるんですね。
妬いてはるの？ 一話目ですので、じっくり目に見ていきましょう。
橘くん、デートすっぽかされてもうたね。 何気ないツカミっぽい回想シーンですが、このエピソードはアニメ全体を支配する通奏低音になっていきます。
同じ話この後五回くらいするからね。嫌でも重要なんはわかるようになるよね。 この日はアマガミの世界が生まれた日なんですね。幼なじみの梨穂子のパートを除いて、この日より前の話は基本的に出てきません。
梨穂子だけは別の時間軸を持っていて、それが彼女のパートを形作っていきます。 デートをすっぽかされた橘純一は、クリスマスのことが嫌いになります。恋愛に対しても奥手になり、二年間恋愛については閉じてしまいます。
橘くんの内面もここで定義されるわけやね。逆に言うと、こいつの内面はこれくらいしかありません。 過去の傷が呪縛になっているタイプですね。この呪縛は物語世界で常に効いています。
その呪縛からいかに自由になるか、というのが橘くんの基本的なモチーフであり、物語を動かす原動力になります。 見る側にとっては最もどうでもいいポイントでもあります。
オープニング
オープニングテーマは「i Love」。歌っているのはazusaという人です。この人は作詞作曲もやってますね。
この日本語、一発で聞きとれる人、どれくらいいるんかね？ 譜割りが面白いですね。探せばわかりますが、相当恥ずかしい歌詞です。
このオープニング、橘くんは出てこないんですね。 どうでもいいからじゃないですかね。
一応タイトルカットで、モブの左側にそれっぽいのがおるんやね。カメラは誰目線なんやろね。 オープニングの話はおいおいやっていきましょう。
冬の朝の橘家。橘美也は登校の準備を整え、押入に引きこもって寝ていた純一を起こしにくる。
イエス！アスミス！
初回なので、一人ずつ登場人物が導入されてきます。トップバッターは橘美也でした。声は阿澄佳奈。 この子は妻なん？
妹です。 寝グセ直して「よし」って言うてるんだけど、全然直ってないっていう人となりなんやね。
一人称が「みゃあ」で兄への呼称が「にぃに」、笑う時は「にっしっし」って笑います。 子育て失敗したわ思われとるやろね。
兄は押入の中で、なぜ二年前彼女が来なかったのか、自問してました。
朝っぱらからね。 押入は細工がしてあって、プラネタリウム的な空間になっています。よくここに籠もっているらしい。
天岩戸やね。美也がアメノウズメの巫女である事を仄めかすメタファーです。 純一の孤独を示すメタファーでもありますね。
二年前のクリスマスは雪が降ってたんで、星は見えへんかった。ちょっと意味深ですね。 意味深な割には、あと二回くらいしか出てこないですけどね、この押入。
アマガミSSは常に尺が足りないので、こういう一回二回を見逃さないよう気をつけんといけません。
二人そろって登校する橘兄妹。美也は友達の紗江と合流し、純一も友達の梅原に合流する。
通学路を歩く二人の前を、学園のアイドル森島はるかがその親友塚原響と進む。二人は森島の魅力に改めて見とれてしまうのだった。
橘の唯一の男の知り合い、梅原正吉の登場です。声は寺島拓篤。
アマガミの女性キャラはありえへんありえへん言われるけれども、この男友達が一番ありえへんね。 二人を取り持つアイテムは「お宝本」ですね。ここでも早速取り出しています。どんな中身なんでしょうね。
「summer」というタイトルの安易さから考えると、裏本やね。
通学路のモンタージュです。この風力発電機はこのあと何十回も出てきます。
風車はオープニングにも出てたし、橘家が出た時、その後ろでも回ってました。 アマガミの舞台になる街は、何よりも海とこの風力発電機の街であります。どういう意味があるんでしょうね。
セックスやね。 好きなんですね。
通学路はゆるやかな坂になっています。七咲逢や桜井梨穂子、棚町薫の姿も見えますね。 このアニメはモブが出るシーンが妙に全く少なくて、だいたい橘くんかヒロインかサブヒロインです。世界狭いですね。
この子が森島はるか。これから四回はこの子と恋する事になるんやね。
声は伊藤静。お宝本が霞むほどの美人で、学内にファンも多い。男からはしょっちゅう告白されてしまうようです。 目が碧眼なんですね。アマガミにはピンク髪とか出てこないので、これは普通に白人の血が入っとるっちゅう事です。
橘もいいなーと見ててる訳なんですが、今時点で特にどうしようと思っているわけではありません。だから「アコガレ」なんですね。 まだ接点がないですからね。自分で接点を作ろうとする気もないし。なので見てるだけです。名前の「はるか」が象徴的ですね。
朝のホームルーム。担任の高橋より創設祭の実行委員の募集がかかるが、誰も手をあげないため、クラス委員の絢辻詞が名乗り出る。
名塚最高や！エウレカなんて無かったんや！
名塚佳織演じる絢辻詞は、アマガミの六人のヒロインの中でもラスボスに近い人物です。アニメでも彼女のパートは一番最後になります。 優等生で真面目なクラス委員長で、橘くんもえらいなー思うて見てると、ふと見返してくれます。この子だけこういう事が異様によく起こります。
担任の名前は高橋麻耶。声は早水リサですね。日本史の教師です。 アマガミSSではこの人の日本史以外、授業の描写はありません。
橘のうしろで髪いじってるのは田中恵子ですね。後述の棚町薫の友達です。
この席順考えた人は天才よ。おかげで橘くんを映すときは必ずこの子も映る訳やからね。 画面から華が消えないわけですね。おかげでヒロインでもないのに妙に印象に残る子になります。
昼休み。橘は梅原と購買へパンを買いに行こうとするが、棚町薫が加わり、ジャンケンで負けた人が買ってきてはどうかと提案する。
橘は負ける。
橘くんは負ける事で勝つ人です。さっそく負けましたね。
アマガミ一の人格美人、棚町薫の登場です。声は佐藤利奈。西海岸的な性格で、男子の輪にもスッと入っていける。橘とは男女の友情的な繋がりです。 いたずらっぽくて軽いノリですがヒロインの中では一番成熟した精神の持ち主です。梅原と三人で、この先も度々つるむ事になります。
購買に向かった橘は、あまりの人たがりに気圧されパンを買う事ができないでいた一年の中多紗江に遭遇する。
紗江の代わりにパンと牛乳を調達する橘。この光景を森島はるかが見ていたのだった。
パンが欲しいねやろ？ と聞いてる橘くんの絵ですが、紗江ちゃん胡散臭そーに見てます。
どう見てもナンパですよね。お互い初対面でしょ？ こんなん警戒されて当たり前よ。 僕やったら絶対ええですて断わるんですけどね。紗江ちゃん気ぃ弱いからしどろもどろになっちゃいます。
しどろもどろになりつつも自分の欲しいのんは言うてくれるんですね。中多紗江っちゅんはこういうキャラですね。 転校生の中多紗江です。声は今野宏美。一年生で美也とは親友という設定です。弱気で人見知りが激しく、とくに男の前だと口きくのも精一杯です。
「お、お金…！（払います）」言う時も肩プルップルです。そんで橘くんもじゃあ360円、とか言うてもらっちゃうんですね。コスいね。 いや、ここはもらっといてええ場面でしょ。ここで奢られたら逆に気味悪いですよ。
そうか。折口君、そういう世代か。
パンを買った帰り、廊下でパンの空き袋で滑り転倒してしまう橘。散らばったパンを森島はるかが拾う。
橘が自分の名前を知っている事に驚くはるか。二人はこのようにして出会った。
このカレーパンのようにスパイシーで脂っこい恋愛が始まるという暗示やね。
カレーパンであるという証拠全く無いですけどね。 逆にパンの空き袋でコケるっちゅうんは、橘くんの古い恋を表してますな。
いずれにせよ、梅原のあんパンとカツサンド、棚町のやきそばパンとチョココロネは前のフレームで拾ってるので、森島が拾ったパンは橘が自分の分で買ったやつです。
さてこのように出会ってしまった二人です。森島はまだ橘の名前を知らないので「大食い君」呼ばわりです。
通学路で後ろ姿見ててええなあ思って、上の絵になるまで約3分くらいですからね。これがアマガミSSのテンポ感です。 初手から殺しにかかってますね。アニメ始まって初めてのスキンシップです。両手で顔つかんで凝視したあげく、「かわいらしい目をしてる！」と微笑みます。
そんでパンの代理購入の件に触れ、「グッド！君って優しいんだね」と来たもんです。外づらを褒めて内面を褒める。 冷静に考えると両方最も無難な線の褒めどころなんで、実質何も褒められてないに等しいんですが、橘はあっさり心を射貫かれてしまいます。
いやこれは単純に嬉しいでしょ。わしでも「ベッドでは全然優し無いで」と返しますね。
はるかとの短い会話が終わり、余韻に耽る橘だったが、桜井梨穂子に声を掛けられ、現実へと戻ってくる。
梨穂子とクラスへ戻る橘。梅原と薫はようやく昼飯にありつけるのであった。
最後に出てくるのが桜井梨穂子、声は新谷良子です。あと七咲逢が残っていますが今回は出てきません。
幼なじみやね。橘くんと名前で呼びあうのはこの子と棚町薫だけです。 基本的に受け身で丁寧な橘ですが、桜井に対してはからかったり、ちょっと扱いが雑だったりしますね。
橘くんのパン袋を見て、一人で全部食うんかって聞くんですよね。これはるかちゃんの「大食い君」と発想が一緒やねんけど、橘がツッコむのは梨穂子だけです。
こうして橘くんは教室に戻ってきました。開始10分くらいですがもう五人の女の子と何らか関わっております。
飯食ってたら絢辻詞がやってきて橘に声をかけてきました。進路表を出してくれという話ですが。 女の子と一通り話して帰ってきたこのタイミングですからね。別に今言う必要あるかね？
一応、今日が締切や言うことですからね。でも今日が締切じゃなかったら別の書類を出せ言うてたりしてね。
放課後、梅原からお宝本を受け取りに図書室へ向かう橘。しかし、キョロキョロしてるうちに、はるかとぶつかってしまう。
いいところで会ったとばかりに、自分で借りた本を橘に運ばせるはるか。そこへはるかの親友、塚原響が現れる。
お宝本で頭いっぱいなので、周りの事が目に入らないです。当然、人にぶつかってしまいます。森島はスカートがはだける位派手にコケてしまいます。
パンチラチャーンス！！ しかしパンツは見えません。
クソッ！！ ぶつかられた森島はるかですが、怒るどころか、相手が昼の大食い君だと気付くや、「ナーイスタイミング！」と喜びます。
そんで、大量に借りた重げな本を橘くんに運ばせる。中身は犬の本です。犬好きですね。 橘はすっかり梅原の事がどうでもよくなってしまって、「先輩の荷物持ちより大事な用事はそうそう無い」とまで心の中で言い切ります。
「先輩」に負けたならともかく、「先輩の荷物持ち」に負けた梅原くんです。モノではなくコトに負けてしまいました。
そそっかしい森島の女房役、三年の塚原響です。声は浅川悠。水泳部で七咲の先輩でもあります。
顔だけ見るといい感じのドSに見えますが、実際は顔が固いだけで、情に厚く友達思いの真面目な女の子です。社会に出たら一番損するタイプですね。 森島は塚原に全面的な信頼を置いているので、この人のサポートが橘と森島の恋仲のキーになります。さっそくこのあと、最初の助け船を出してくれます。
後輩に荷物を運ばせる事をたしなめる響。橘は初めてはるかに自分の名を名乗る。名も知らないで手伝わせたのかと呆れる響だが
橘くんは優しいから大丈夫！とはるかは橘の目を見て微笑みかける。先輩たちが去った後、橘は二年前の呪縛を突き破ろうと決心するのであった。
塚原に「ちゃんと彼にお礼を言いなさい」と言われて、やっと名前知らんかったねって話になります。2年A組橘純一、ようやくここで名前を覚えてもらいます。
名を知らない、名を教える、はドラマの基本ですからね。最初にして大きな一歩です。響ちゃんがおらんかったら、「ありがとう、大食い君」で終了やったかもしれません。 そうではなく、「ありがとう、橘純一くん！」とフルネームを呼ばれ、橘は真っ赤になって顔を上げることができません。
そのタイミングを一寸も見逃すことなく、小悪魔的な横ジャンプを経て橘くんを下から見上げて、この絵になります。「橘くん、優しいもん！」この笑顔です。 どうすれば男がタダで言う事を聞いてくれるか、熟知している顔ですね。ちょっと頬が赤なってる所を含めて、これを天然でやるんだからえらいもんです。
辛抱たまらんくなった橘くん、今こそ二年前の呪縛を打ち破る時や！と決心します。あの女獲ったるで！高嶺の花いうても関係あれへん！という強い決心です。 いつのまにか梅原が隣にいて、手には新しいお宝本を持っているんですが、完全に無視するくらいの強い決心です。
関係ないけど、橘くん自分で運んでた本、響ちゃんが手を差しのべるとまるっと全冊渡してしまいます。そこはせいぜい1、2冊やろ、最後まで運んどいたれよ！ Aパートはこれで終わりです。
アイキャッチ
アーママガミミミ♪
別の日。橘がクラスの男子と馬跳びをしていると、突然はるかが乱入し、橘に馬乗りになって暴れだす。
その後、雑談をしながら歩いていた二人は美也に遭遇。橘は美也にはるかを紹介するも、美也の反応は冷やかだ。
クラスの男子と馬跳びをしているのですが、心の中では二年前のクリスマスの事を考えています。
この男しつこいな！どんだけ引きずってんですか！ と、そこに突然現れたのが森島です。「私も入れてえ！」の声の後、間髪おかずに橘にドスンと馬乗りになります。
アマガミのヒロインのセリフは、常にダブルミーニングですからね。必ずエロい意味を持っています。 乗っかったあげく、ええいええいええい！と、橘をゆらし続けます。
これもダブルミーニングです。 橘くんはロデオマシーンじゃないので、揺れの力を分散する事ができずそのまま崩れてしまいます。上のカットですね。
これの影のとこよう見てみ。なんかおもろいで。
馬跳びがグダグダになったので、二人はその場を離れて歩きながら雑談します。一緒にやってた連中はたまらんですね。
はるか曰く、橘くんなら乱入しても大丈夫や思うたと。「だって橘くんは優しいから！」橘くんに優しいって言うのはこれで三度目です。 プレッシャーを感じますね。君は優しい人どまりよー言うごついプレッシャーを感じます。
美也です。
かわいい女の子が、ネガティブな感情を剥き出しにするのは、すごくいいですね。 なんやこのババァ髪の毛ズタズタにしたろか、とでも言いたげな表情です。
本妻を見ている愛人の目ですね。 ムスっとしてその場を去る美也ですが、一方森島は美也をとても気に入ったようです。「嫌われちゃったかなー」と軽いです。
この軽さは怖いね。人から敵意を向けられた事がないか、敵意を向けられても自分はどうってことないのを知っているか、どちらかな感じです。 美也が可愛いのは本心のようで、「猫ちゃんみたい！」とうずうずしています。一方兄は「そうですかあ？」と、ピンとこない様子。
一人称が「みゃあ」で兄への呼称が「にぃに」やで。ここで「そうですかあ？」ってありえへんやろ。 近すぎて慣れちゃった分、気付かないのかも知れませんね。
美也「ねえはるちゃん、バストアップ体操ってこれでいいの？」ピゥン
はるか「うん、上手いわみゃあ！」ピゥン
美也「でもこれ、ちょっとくすぐったいね！」ピゥン
はるか「そうねえ！」ピゥン
はるかの「一緒に買い物行ったり、お風呂に入ったりしたいなー」の一言から、一瞬でここまで想像する事ができる橘は、本物のビジョナリーです。
買い物も行きたい言うてるのに完全にオミットです。ピゥンピゥン嫌な音ですね。 自分で想像して自分で鼻血を流してます。これが二年間の成果ですね。
一方本物の美也の反応はなぜあれほど冷たいのか理解できない橘くんです。放課後美也を呼びとめて問い質すも、「死ね」と言われてしまいます。
言うてないですよ。言われたいんですか？ この先いろんな女の子と恋仲になる橘ですが、美也がこれほど嫉妬心を剥き出しにするのはこのパートだけです。
「森島先輩美人だしスタイルもいいもんね！」という台詞がね。他のヒロインはともかく、森島には勝たれへん、くやしい、というのがあるんですかね。 それか、森島で一回やったからもうええやろっちゅう事かもしれません。両方かな。
夕闇の放課後、それぞれの日々が過ぎていく。校舎を出ると、噴水の縁で佇むはるかを発見した橘は、はるかの横顔にあらためて見とれてしまう。
くしゅっとくしゃみをするはるか。橘は近付き、自分のポケットから使い捨てカイロを差し出す。
自分の使うてたカイロ、あげるかね。
いちおう校舎出る直前にくしゃってやったカイロなんで、橘的には新品なんでしょうが、森島はそんなん知らんですからね。よう受け取りましたね。 「優しいのね(四回目)」言うて受け取る、この時に手と手が触れ合います。橘くんのメーターが目盛一つ分上がります。
はるか「水を見てたの」「私、水を見るのが好きなの」
橘「いいですね。なんとなくですけど、森島先輩には似合ってる気がします」
はるか「そういう風に言ってくれたのって、響と橘くんだけかも！」
橘、言い方が適当ですね。
「響と橘くんだけかも」って何？ 他にもおったかも知れへんてこと？
はるか「優しいのねー。このっ、このぉ！」
橘「そっ、そんなこと、無いです……」
はるか「そうなの？じゃあ、私にだけ優しいのかな？」
橘「え、えっ……」
はるか「もしかして、私のこと、好きなの？」
橘「う……」
はるか「なんちゃってー」
橘「あっ……いやっ、う、そんな……」
はるか「フフ、そうよねえ……」
はるか「……ざーんねん」
うふおおお！
うわあ！ あ、いや……。
絶句して立ちつくす橘。
風がはるかの髪をなでる。
カ・ミ・カ・ゼ・やあああ！
うわあ！ あのね！このアニメね！風がね！重要なの！風がね、髪をね！こう、なでる！これよ！これが恋よ！
アイラブユー！訳して！月が綺麗ですね！違うの！髪がなびいてますね！アマガミでは、こう！これがね、スイッチ！フラグ！本当の恋よ！恋はこっから始まるんよ！
先生うるさいですよ。本編聞こえないですよ。
すみま
せん……。 メーター振りきってしまった橘、ここで「好きです……」と言うてしまいます。「僕、森島先輩の事が好きです！」
それに対して、こう。
はるか「本気？」
うほほほう！
これに対して「はい、本気です！」と言うと、こう。
はるか「そうなんだ」
うほほほう！
表情ひとつ変えません。声もハッキリと冷たいです。 あそこまで言うといて！たまらん！たまらんなあ！
すごい手玉に取り方ですね。遠からず刺されますよ。
突然の告白を男らしいと喜ぶはるか。しかし橘の告白を受け入れる事はない。
年上で頼り甲斐がある人が好みだと明かし、噴水際を去るはるか。自分が告白した事も、振られた事も受け入れられない橘。
ドSやね！
一応初めて橘を「優しい」以外の言葉で形容するんですね。「すごく嬉しい！」とまで上げてくれます。だから「でもダメ」の短さが容赦ないですね。 こうやって、橘くんは始まって20分で告白して、21分で振られてしまいました。
「僕、振られたのか？」「告白しちゃったのか？」と、狐につままれたように自問します。視聴者も同じ気持ちやと思います。
を、たまたま見かける詞。
この子何なん！？ 怖いよ！
別に好きやとか、ストーキングしてるとかという訳ではないんですね。こういう運命を持つ子なんですよ。アニメ的には。
力なく家に戻る橘。美也がおやつに誘うのだが、橘には聞こえない。
自分の部屋に戻ると、寒さが橘を襲う。橘は再び押入に籠もるのだった。
「まんま肉まん」初登場です。
美也、すっかり機嫌が直ってますね。 「まんま肉まん」の力やね。
この後、徐々に美也は肉まんを食べるだけのキャラに成り果てていきます。
真っ暗な部屋が橘の心の状態です。あんま暗いんでちょっと明るく修正してます。押入に入って、襖を閉めて、エンディングへ。
このまま全部終わりやったらおもろいのにね。 ただの橘くん残念物語ですね。
エンディング
なんで脱いでんの？
ごっつ嬉しそうですね。 なんかすごい90年代チックやね。
アマガミSSのエンディングはそのパートごとに、ヒロインのキャラクターソングになってます。OPの歌詞が恥ずかしいと言いましたがEDはもっとひどいです。 かわいい それだけで 夢中で 撫でたくなる 潤んだ瞳
歌わんでええですよ。
次回予告
次回予告はまんま肉まんの販促です。
一応、兄が凹んでいるので元気づけてあげようと思うとる美也ちゃんです。 「明日もまた日は昇るよ！」と。いつまでも星空ん中にいてやんなよと。
押入に籠もるたんびにこんな事言うてくれたんかも知れへんね。健気やね。 というわけで、一話目はこんな話でした。次回は森島はるか編第二章、「セッキン」です。
なんやえらい盛り沢山やったね。 キャラクターも妹に幼馴染に委員長に、先輩に後輩に友達という、もう一通り全部揃えましたーいうラインナップでしたね。
本屋の女性店員さんとかは居れへんのかな。 そんな普遍性ないでしょ。